議長挨拶

議長挨拶

埼玉県生コンクリート品質管理監査会議 議長 睦好宏史

 昨今の生コン業界における課題の一つとして、人手不足を如何に解消するかがあげられます。そのためには業界のイメージアップを図り、若い人たちにコンクリートならびに生コン業界を知ってもらう必要があります。このような取り組みは土木・建築分野の各学協会においてすでに行われており、例えば、土木学会の「コンクリート製カヌー大会」やコンクリート工学会の「キング・オブ・コンクリート」などで、いずれも与えられた課題をコンクリートで製作し、競うのです。生コン業界では、コンクリート甲子園が過去18年間にわたり開催されています。昨年度は63校の高校が参加し、コンクリートの強度、プレゼンテーション、デザインの3部門で競技が行われました。埼玉県からも2校が参加しました。
 強度部門では、目標圧縮強度を24N/mm²に設定し、作製した3本の供試体について、得られた圧縮強度と目標値との差の絶対値の合計が小さいほど高評価となる方式が採用されています。優勝した徳島科学技術高校が作製した供試体の圧縮強度は、24.3、23.9、24.2N/mm²で、平均値は24.1N/mm²でした。目標強度に極めて近い値であるとともに、供試体間のばらつきも非常に小さく、その精度の高さは特筆すべきものです。このように、若い世代が創造するコンクリートには、これまでの経験や知識だけでは十分に説明できない新たな可能性が含まれているように思われます。今後も、このような若い人たちを取り込んだ競技や取り組みが継続的に開催されることを期待する次第です。
 さて、生コンの品質管理監査制度は、「生コンの日常の品質管理の徹底と安定的供給を実現させ、製造される生コンの品質に関して、使用者から高い評価と信頼性ならびに理解と協力を得ること」を目的にスタートしてから、20年以上経過しました。この制度は、生コン工場を実地に査察し、監査会議において各工場の品質管理の取り組み状況を全国統一の適合判定基準に基づいて客観的に判定することを骨子とする制度であり、各方面から高い評価を頂いております。令和7年度は県内56工場、58プラントが合格し、㊜マークが承認されました。これはひとえに各生コン工場の日頃の努力の賜物だと思います。今後とも、生コン製造各社において、さらなる品質向上に向けた取り組みが継続されることを期待する次第です。


埼玉県生コンクリート品質管理監査会議
議 長  睦 好 宏 史
埼玉大学 名誉教授・客員教授