議長挨拶

議長挨拶

千葉県生コンクリート品質管理監査会議 議長 重倉祐光

 この度、令和5年度(2023年度)下期総合監査を終え、対象となる57工場(60プラント)全てが合格となり、無事、令和5年度(2023年度)の㊜マークの使用が承認されました。ここにご報告させていただきますとともに、監査にご協力いただいた関係各位のお力添えに改めまして厚く御礼申し上げます。
令和5年度は、いわゆるコロナ禍が終息し、従前の会議実施体制のもと総合監査を計画通り実施することができました。加えて、昨年度から再開した千葉県独自に例年6月ごろに実施している上期重点監査についても実施しており、皆様により一層信頼いただける製品供給を支援させていただいております。
 サステナブルな社会の実現が重要な課題であることは言うまでもなく、コンクリート分野においてもその対応が急がれている状況がますます顕在化しています。例えば2021年に造成されたグリーンイノベーション基金は、エネルギー・産業部門の構造転換やイノベーションを加速する目的とするものですが、コンクリート分野、セメント分野や産廃など我々コンクリート産業に密接する幅広い分野への開発投資が行われており、その動きが加速しています。先般改正されたJIS A 5308においてもリサイクル材の活用や廃棄物削減等の環境負荷低減といった社会的要請対応が進められており、リサイクル材の活用及び低環境負荷材料の製造・計量方法の合理化、戻りコンクリートを使用しない手順の明確化などの項目が加えられています。その一方で、2024年問題に挙げられるように建設分野における労働環境改善も進められており、DXはその手段として重要視されています。今般のJIS改定でも電子化による情報提供の合理化・効率化が規定されており、品質管理の合理化も進めていかなければならない課題のひとつです。JISの改正などによる新技術への対応が、直ちに全域のコンクリート生産に影響を与えるものではありませんが、このような社会的要請に目を背けることはできません。現在、円安が続き、材料・物流・エネルギー価格の高騰、人材不足が続いており、加えてこのような社会的要請に応えることは決して容易なことではないと考えますが、各工場の引き続きの努力により信頼性の高いコンクリートの供給が行われるものと確信しております。
 本年度も、品質管理監査会議の活動が厳正かつ公正に行われるよう力を尽くしたいと考えておりますので、関係各位におかれましては、引続きのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。


千葉県生コンクリート品質管理監査会議
議長  兼 松   学
東京理科大学 理工学部 建築学科 教授