議長挨拶

議長挨拶

千葉県生コンクリート品質管理監査会議 議長 重倉祐光

 この度、令和4年度(2022年度)下期総合監査を終え、対象となる58工場(61プラント)全てが合格となり、無事、令和5年度(2023年度)の㊜マークの使用が承認されました。ここにご報告させていただきますとともに、監査にご協力いただいた関係各位のお力添えに改めまして厚く御礼申し上げます。
 令和4年度も続くコロナの影響下にありましたが、関係各位のご協力のもと、総合監査を計画通り実施することができました。ただし、特別委員の立会は慎重を期して引続き取りやめる判断をいたしました。一方で、千葉県独自に例年6月ごろに実施している上期重点監査は、コロナ対応で2年連続で中止しておりましたが、令和4年度は十分な対策を採って実施することができました。また、書面決議となっていた品質監査会議は、対面とオンラインを併用したいわゆるハイブリッド方式で実施いたしましたが、大きな混乱もなく、オンタイムでの質疑応答・ディスカッションを行うことができました。これら対応により、コロナ禍以前の活動状況を取り戻すことができたと考えています。
 コロナは社会・経済に大きな影響を与えましたが、その一方で、情報化技術に対する体験的理解が社会的に進んだことはコロナ禍のもたらしたポジティブな効用のひとつです。結果としてDX導入に関する社会の受容性が高まり、情報化・合理化が特に意識されるようになったと感じています。例えば、建築分野では令和4年11月には日本建築学会の建築工事標準仕様書 鉄筋コンクリート工事 JASS 5が大改定されましたが、そこでは、IT/ICTの活用や各種のセンサ技術等の従来とは異なる新しい品質管理方法等の適用を可能とするため、技術的に有用で,法令等の定めに反しない限りにおいて,工事監理者の承認を受けたうえで,規定と異なる品質管理方法を適用できることとしています。また、構造体コンクリート強度の品質管理および検査において、検査と受入検査を併用する場合が定められるなど、少しでも合理化を進められるような提案が盛り込まれるなど、品質管理に対する風向きの変化を感じています。
 私がこの会議に参加するようになって既に8年が経ち、その間、常に高い品質水準を保ち続けていることを見てまいりましたが、このような大きな変革の流れの中にあっても、今後も信頼性の高いコンクリートの供給が行われるものと確信しております。品質管理監査会議の活動が厳正かつ公正に行われるよう力を尽くしたいと考えておりますので、関係各位におかれましては、引続きのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。


千葉県生コンクリート品質管理監査会議
議長  兼 松   学
東京理科大学 理工学部 建築学科 教授